大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1214 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人野町康正の上告趣意第一点について。

被告人は、進駐軍の財産に属する煙草を所持することの禁ぜられていることは知

つていたが、その禁令によつて定められた刑罰の種類について錯誤があつたと主張

するのであるが、かりに、右のごとき事実があつたとしても、刑法第三八条第二項

の規定は犯罪の構成要件たる事実の認識について錯誤のあつた場合の規定であつて、

所論のごとき法定刑の種類について錯誤があつたというに過ぎない場合に適用を見

るべき規定でない。また、右のごとき錯誤の主張はもとより旧刑事訴訟法第三六〇

条第二項にいわゆる「法律上犯罪ノ成立ヲ阻却スヘキ事由又ハ刑ノ加重減免ノ原由

タル事実ノ主張」にあたらないのであるから原判決がこれに対して特に、何等の判

断を示していないとしても、所論のごとき違法ありとはいえない。

同第二点について。

原判決は、「連合国占領軍の財産である煙草」と判示しているのであつて、本政

令第一条第一項違反の罪の判示として、これで十分である。特に、その煙草に付せ

られた名称を判決に掲示する必要はない。

同第三点について。

原審第二回公判調書には、「上訴期間と上訴申立書を差出す裁判所を告知した」

との記載があり、これによれば、同裁判所が旧刑事訴訟法第三六九条に従い、被告

人に対し、具体的に、上訴期間は何日であるか、上訴申立書は、どこの裁判所に差

出すべきかを告知した事実をうかがうことができるのであるから、右告知の手続に、

所論のような違法はない。論旨は理由がない。

よつて、刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に従い主文のごとく判決する。

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右は全裁判官一致の意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二四年四月一六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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